「イベルメクチンは新型コロナの特効薬だ」
何が起きたか顛末 2021.04
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あらわれる 発端
実在の抗寄生虫薬が、コロナ治療薬として試されていた
イベルメクチンは、もともと寄生虫の病気に使われてきた実在の薬(抗寄生虫薬)である。新型コロナの流行下では、コロンビアなどで治験の一環として患者に使われるなど、コロナ治療に効くかどうかが各国で臨床試験にかけられていた。
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「安くて効く特効薬」——世界のSNSで広まる
やがて「イベルメクチンはコロナの特効薬だ」という主張が広まった。ブラジルやフランス、南アフリカ、韓国では、安価なイベルメクチンをコロナ治療薬として推奨するフェイスブックの投稿や記事が拡散した。まだ効果が確かめられていない段階の薬が、「これさえあれば」という語り口へと膨らんでいった。
出回った話安くて手に入るイベルメクチンが、コロナの特効薬になる——
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みやぶられる 決着
WHO、治験以外では「いかなる患者にも」使うべきでないと指針
世界保健機関(WHO)は2021年3月31日、イベルメクチンを臨床試験(治験)以外の状況で患者に使うべきでないとする指針を発表した。患者2,400人を対象にプラセボ(偽薬)や他の医薬品と比較したランダム化比較試験16件を調べたうえで、致死率や入院、体内からのウイルス除去にもたらす効果については「証拠が非常に不確実」だと指摘。治験以外では「症状の度合いや期間にかかわらず、いかなる患者にも」使用すべきではないとした。
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そのあと 余波
「効く」という裏づけは、示されなかった
WHOは調査の結論として、「現在、イベルメクチンのCOVID-19に対する作用機序に関する説得力あるエビデンスが欠けており、観察された臨床的有用性は説明できない」と述べた。実在する薬で、実際に治験も行われていた——それでも、「特効薬」という強い言葉に見合う裏づけは、その時点では示されていなかった。
見抜きポイント
- 「特効薬」「これさえあれば大丈夫」と万能をうたう主張は慎重に見る
- 治療薬の評価は、WHO・学会・規制当局のガイドラインで「確認された」とされているかを確かめる
- 効果がまだ確かめられていない薬を、自己判断で治療に使わない
この事例を生んだ妖怪
オオフロシキ天狗
誇張・ミスリードな見出し
弱点属性を見る →シェア憑キ
感情の煽り(恐怖・怒り・驚き)で確認なしのシェアをさせる拡散心理
弱点属性を見る →先頭がメインの手口。妖怪はデマの「手口」の姿であり、発信者・拡散者を指しません。
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実害
有効性の確かな証拠が示されないまま、コロナの治療薬として推奨する情報が各国で広まった。